体脂肪計の上手な活用法



こんにちは!
運動指導研究家の大塚聡(サミー大塚)です。

先週は脂肪体重の話をしました。

では体脂肪はどうでしょう?
体脂肪計で計りますよね。

その数値は正しいのでしょうか?
その疑問にお答えします。

 

体脂肪計の上手な活用法

体脂肪率測定にほとんどの人は市販の体脂肪計で測定されてますよね。その体脂肪計の数値を鵜呑みにするのは「ちょっと待った!」ってお話しをします。

それはべつに市販の体脂肪計が悪いという訳ではなく、その仕組みを知って有効活用していただくことが狙いです。

では市販の体脂肪計の仕組みについて簡単に解説します。

 

市販の体脂肪計のしくみ

市販の体脂肪計はほとんどが「インピーダンス法」という測定法を利用しています。

測定時の動作として、両足を銀色のプレートの上に載せたり、両手で銀色のバーを握ったりするタイプのあの測定器です。

身体に微弱な電流を流してインピーダンス(電気抵抗)を測定し、それをもとに体脂肪率を導きだそうという方法です。

人間の身体は電流を通します。
そして、通しやすい身体と、通しにくい身体があるわけです。

「筋肉」は電気抵抗が低く電流が通りやすい
「脂肪」は電気抵抗が高く電流が通りにくい(ほとんど通さない)

という性質があります。

脂肪量の多い身体はインピーダンス(電気抵抗)が高く、
筋肉量が多いとインピーダンスは低くなります。

要するに
電気抵抗が低いと体脂肪率が低く、
電気抵抗が高いと体脂肪率が高く出るということです。

市販の体脂肪計は体脂肪を直接測定しているわけではなく身体のインピーダンス(電気抵抗)を測定しているのです。

これが市販の体脂肪計の基本的なしくみです。
次に測定器による誤差についてお話ししておきましょう。

測定誤差の認識

測定器には足で測るタイプ、手で測るタイプ、手と足と両方で測るタイプがありますよね。

やはり、足で測るタイプは下半身の電気抵抗が反映され、手で測るタイプは上半身の電気抵抗が反映されるようです。

よって、足で測るのと手で測るのでは同じ人でも体脂肪率が違って出てくるというわけです。

でもこれは仕方のないことなので、「下半身ではこのくらい、上半身ではこのくらい」というふうに把握すればいいのではないでしょうか。

そういうことから考えると、手と足両方で測るタイプの方が、全身での体脂肪率を反映するには信憑性が高いかもしれません。

測定する身体部位によって誤差が生じる

と認識しておいてください。
又、測定時の条件によっても誤差が発生します。

測定時の条件とは
・測定時間(朝、昼、夜等)
・起きてからの経過時間(何時間前に起床したか)
・測定前までの身体活動状況(動いていたか、じっとしていたか等)
・季節(暑さ、寒さ等)
・足の裏の状況(かさついていた等)
・手の平の状況(測定器の握り方等)

その他にも誤差が発生する条件は様々です。

できることなら同じ条件で測定したいものですが、現実のところはせいぜい測定時間を統一するくらいでしょうか。

例えば3回連続で測定して、3回とも数値が違うということもあります。足の裏や手の平といった測定器と触れる箇所がずれていたとか等で誤差が生じるようです。

「そんなに誤差があるなら測定しても意味がないじゃないか!」と思われるかもしれませんが

「そんなことはありません!」

体脂肪率15%の人が30%とは出ません。
おおよその体脂肪率は把握できます。
誤差は私の経験上2%位の範囲です。

昨日15.3%が、今日17.0%と表示されることはあると思います。

これはたった一日で体脂肪率がそんなに変化したわけではなく、測定時の条件によって表示される数値が変わったのです。

つまり本当のところ、どれが正しい自分の体脂肪率かは判らないということです。時間を置かずに連続3回測定して全て数値が違うことがあるのですから。

よって毎日測定して、「1%減った!増えた!」と一喜一憂しなくてもいいのです。

測定で大事な事とは?

大事なことは
長期間(せめて半年間)の変化を見ることです。

例えば、体脂肪率が適正値の人は誤差も含めていつ測定しても適正値の範囲であればいいのではないでしょうか。

女性の人が毎日測定して、日々の数値が21.0%、23.0%、21.5%、20.0%、22.5%、20.5%・・・・・こんな感じだったとしましょう。

女性の適正値は20.0~25.0%ということから大変よい状況と言えるのではないでしょうか。
※年齢にもよりますが最近では女性は30%未満なら適性ともいわれています。

本当の値は判らないのだから日々の違いを神経質に比べるのはやめましょう。

ふと気がつくと、いつも25%を超えてきた・・・とならないように自己管理をしてください。

又、体脂肪率30%を超える人が日々ダイエットに励んでいる場合も、日々の増減ではなく「一年続けたらいつの間にか、常に25~27%の範囲にまで減った!」というのがよろしいのではないでしょうか。

 

まとめ 

誤差のあることを認識し、日々の少々の変化に一喜一憂せず、長期間(せめて半年以上)の変化で体脂肪の状況を把握することをお薦めします。

体脂肪のことはあまり気にしないでまずは体力をつけることです!

ジョギングや筋トレで体力がついて活発な日常生活を送っていれば体脂肪も自然に適性値になっていきますよ(^’^)

 

サミー大塚(大塚聡)プロフィール

略歴
1961年5月生まれ
早稲田大学教育学部教育学科体育学専修卒
早稲田大学大学院人間科学研究科(健康科学専攻)修了

 

 

1986年~ 民間フィットネスクラブにて指導責任者、経営責任者として勤務
1996年  独立し、運動生理学研究活動をしながら開業準備
2000年~ サミーコンディショニングスクール設立。
2009年  (株)サミープロジェクト設立。
2009年  一般社団法人 日本生活体力推進協会理事長就任
2012年  東京都千代田区三番町に「サミー大塚パーソナルトレーニングスタジオ」開設。

資 格

人間科学(健康科学)修士
教育学士
NSCA-CPT(パーソナルトレーナー)
NSCA-CSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
日本体力医学会健康科学アドバイザー
厚生労働省ヘルスケアトレーナー
中学・高校保健体育教員
国際救命救急協会救急心肺蘇生法取得者

活 動

健康関連事業、特に運動指導に重点をおいた活動に力を注いでいる。
Wasedaウェルネスネットワーク研究員としても活動。
・パーソナルトレーニング
・運動指導者の育成
・「からだづくり教室」の運営
・講演・セミナー
・企業への健康事業アドバイス
・学校の運動、健康関係へのアドバイス
・インターネットによる情報配信

スポーツ選手、学生、高齢者等多岐にわたり運動生理学に基盤をおいた安心で信頼のおける指導をモットーとしている。
医師との協力関係により医学的見地からも個人の身体を尊重した指導を心がけている。そして何よりも「楽しさ!」を第一にした運動指導が一番の特徴である。

主なメディア出演等

マラソン指導に関するもの
NHK「おはよう日本」にて初心者向けマラソン指導が取り上げられ話題に
・TBS 世界バリバリ☆バリュー 出演者のマラソンパーソナルトレーナーとして
<OZマガジン>に「初心者のためのマラソン直前アドバイス」掲載
・auスマートスポーツのマラソン指導パーソナルトレーナーとして参画
中高年初心者向けの走るためのCD「ハッピーランニング(ワーナーミュージック)」監修

その他
・「知られざる国民病ロコモ症候群」(小学館)第4章共著
・財団法人日本ボールルームダンス連盟主催<幕張メッセにて>「ダンスにおける障害予防トレーニング」講師
・読売テレビ「ミヤネ屋」に家庭でできる運動の企画で出演
・フジテレビ みのもんた危機一髪SOS 運動生理学コメント
・フジテレビ なまあらし 運動生理学コメント
・テレビ朝日  ニューススーパーJチャンネル 主催する中高年身体づくり教室が紹介される。
・日経産業新聞 「狙えアクティブ・シニア 上」中高齢者の運動教室についての取材
・静岡県磐田郡佐久間町45周年記念要覧(長寿の町)にて活動が掲載される。
・テレビ朝日 人気者でいこう!運動生理学コメンテーター

現在、東京都千代田区三番町にてパーソナルジム
サミー大塚パーソナルトレーニングスタジオを主催
徹底した個人指導やグループレッスン、お友達同士やお仲間数人でのオーダーメイドプログラムで目標に向けての身体づくりサポートを行っています。
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